[個人]坂口フェスタに文化の香り (老人の嘆き節入り)

  今年も坂口フェスタのお声をかけていただいた。さてどうしよう、長距離の運転に自信を失っているし、山登りもしていない。それは、足の痙攣の起きやすい環境にあること明白だ。

 車運転は、10歳程若い西田氏を誘うことができて解決したが、かんじんの体力は自分持ちだから大変だ。

 とりあえず、スポーツクラブのメニユを、登山モードに切り替えて様子を見ることにした。

 昨年も取り入れたランドミルの角度を"13.5"、速度は昨年並みの3.5km/hで25分、それに、大臀筋と大腿3頭筋を鍛える"ウエーブ"20分、消費カロリーは約700kal、平均3回/週、一般的な体力は出来ても、山登りは山登りでしか鍛えられないとは思いながらやるだけやってみる。

 その山行きだが、地元の入道ケ岳(906m)、アップダウンの激しい北尾根コースを2回は登っておこう。計画はいいのだが、実働はそうはいかない。雨が降るから、あの行事があるから、ちょっと気が乗らないからと1日延ばしにしてなかなか実行できない。結局コース半分の、避難小屋までを2回こなすのがやっとというありさま。結果はそのまま常念の登山行動に表れた。

 登山当日、朝食時に芍薬甘草湯(ツムラ68・2.5g/包)服用、そのためか、調子が良くて油断して昼食時の服用を怠ってしまい、最後の胸突き八丁第2ベンチにかかる前、膝を急角度に曲げた途端にハムストリングに"びりり"ときた、それから薬を飲んでも効きはしない。

 最後部スイーパーさんのお世話になりっぱなし、同行の大川氏にも心配をかけた。雨は降りだすし、登るに従い風が強くなってくる。第3ベンチに差し掛かるころは、本隊は小屋に到着しているから、スイーパーさんの無線には頻繁に状況確認のコールが入る。痛い足を引きずりながらも、そろそろと歩く、呼吸が苦しいわけではないし、自分の足で歩いているだけましかと思いながら、やっとの思いでなつかしい常念小屋にたどりついた。

 小屋は一般客も多く満杯、坂口さんと同室だったが何ともすごい人。私より3歳も年上で86歳、「私も少し危なかったんですよ」と静かにおっしゃる。

 登山は、登りで嘆き節を唄っているだけで済まない、骨格筋にダメージの大きい下りがある。夕食時と朝食時にツムラ68番のご厄介になるとともに、大川氏のマッサージを受け回復に努めた。ストレッチは必ずしも有効ではない。弱い筋肉を酷使し、膝曲げによるハムストリング付近の筋が痙攣し、過収縮状態になる感じがするので、ストレッチは筋繊維を痛める可能性があると思っている。薬による鎮痛と軽いマッサージで安静の時間が必要と考えている。

 大蔵隊長から、大正漢方胃腸薬にも芍薬甘草湯が含まれていると教えていただいたので調べてみたところ、0.14gほど含まれていることが判った。腹痛はその程度だが、骨格筋の痙攣には、"ツムラ68"の2.5g/包程度は必要のようである。ちなみに、"ツムラ68"は1日に7.5g/日を2~3回に分けて服用し、連用は禁忌のようである。症状が重いといって多用したために、副作用による食欲不振、嘔吐に苦しめられた経験を告白されたことがあり注意が必要だ。 

 心配した下山では、足首筋肉の痛みが起きそうになり、ペースを落として行動したお蔭か、雨中の行動だったが問題なく登山口に帰着することができた。しかし、下山でもこの道は長かった、平坦道になってからの長かったこと、登りに通った道ながら、登山口まであと500mの標識からが特に長く感じられた。

 そんな老人の嘆き節はさておき、11回を迎えた坂口フェスティバルが、これほど続いていることは、長野の皆さんの、ご尽力によりはじめて実現できたものと思っている。今回、安曇野のリゾートホテルに始まり、田淵行男記念館長の講演、画家藤岡牧夫氏の版画展に加え、原画の展示など、文化の香り豊かな企画であり、常念小屋での大蔵隊長講話も、単なる登山論ではない地政的な切り口から話された論調も、坂口フェスタの流れの確かさを物語っていると思う。こんな中では、私の嘆き節が、場違いのそしりを免れることはできないが、後期高齢者の一面とお許し願いたい。

(H25.7.25) 田中

第11回坂口フェスティバル常念岳大会

 

 

 活動報告》平成25年度(2013)》個人山行